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シャルコフスキーの定理 📂動力学

シャルコフスキーの定理

定理 1

$$ 3 \prec 5 \prec 7 \prec 9 \prec \cdots \prec \\ 2\cdot 3 \prec 2 \cdot 5 \prec \cdots \prec \\ 2^2 3 \prec 2^2 5 \prec \cdots \prec \\ 2^3 3 \prec 2^3 5^2 \prec \cdots \prec \\ 2^3 \prec 2^2 \prec 2^1 \prec 2^0 $$ 推移的関係 $\prec$ に対して上記のような順序をシャルコフスキーのオーダリングという。連続マップ $f : \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ が周期的-$p$ オービットを持つとする。もし $p \prec q$ ならば、$f$ は周期的-$q$ オービットを持つ。

説明

シャルコフスキーの定理Sharkovskiis theoremは、リー-ヨークの定理を一般化したもので、周期的-$3$ オービットが存在する場合、全ての自然数 $m$ に対しても周期的-$m$ オービットが存在するだけでなく、任意の $p$ に対してもシャルコフスキーのオーダリングに従って周期的-$q$ オービットが存在することを示している。シャルコフスキーのオーダリングの「開始」は $3$ であるため、周期的-$3$ オービットが存在する場合、全ての周期的オービットが存在することが保証され、完全にリー-ヨークの定理をカバーする。

しかし実際には、リー-ヨークの論文は1975年に発表され、シャルコフスキーの論文は1964年に発表されたため、逆にリー-ヨークの定理をシャルコフスキーの定理の系と見るのが正しい。冷戦時代のために、シャルコフスキーの業績は遅れて世に知られ、知られた時にはすでにリー-ヨークの定理がカオス理論の中心的な定理としての位置を確立していた。


  1. Yorke. (1996). CHAOS: An Introduction to Dynamical Systems: p135. ↩︎