畳み込みの定義
定義
$\mathbb{R}$で定義された二つの関数$f$、$g$が与えられたとする。以下の積分が存在する場合、これを二つの関数$f$、$g$の畳み込みと呼び、$f \ast g$で示す。
$$ f \ast g(x):=\int _{-\infty} ^{\infty} f(y)g(x-y)dy $$
$f$、$g$が離散関数の場合、以下のように定義する。
$$ (f \ast g)(m)=\sum \limits_{n}f(n)g(m-n) $$
説明
畳み込みという翻訳があるが、コンボリューションという言葉の方がよく使われる。一般に上記の定義をコンボリューションとして学ぶが、もう少し一般的に言うと、これは積分変換の一種であるフーリエ変換に対するコンボリューションである。交換法則、分配法則など多くの良い特性を持っているため、様々な分野で使用される。
離散畳み込みの場合、解析的数論では少し異なる定義をすることもある。
畳み込みが定義される条件は以下の通り:
(a)
$f\in L^{1}$、$|g|<M$である場合、
$$ \left| \int f(y)g(x-y)dy \right| \le \int \left| f(y)g(x-y) \right|dy \le M\int \left| f(y) \right|dy \lt \infty $$
(b)
$\left| f \right| \le M$、$g\in L^{1}$である場合、
$$ \left| \int f(y)g(x-y)dy \right| \le \int \left| f(y) g(x-y) \right|dy \le M\int \left| g(x-y) \right|dy \lt \infty $$
(c)
$f,g\in L^{2}$であり、$\tilde{g}_{x}(y)=g(x-y)$とする。すると$\tilde{g}_{x}\in L^{2}$、$\left\| g \right\|_{2}=\left\| \tilde{g}_{x} \right\|_{2}$であり、コーシー・シュワルツの不等式により
$$ \begin{align*} \left| \int f(y)g(x-y)dy \right| &= \left| \int f(y)\tilde{g}_{x}(y)dy \right| \\ & = \left| \left\langle f,\tilde{g}_{x} \right\rangle \right| \\ &\le \left\| f \right\|_{2} \left\| \tilde{g}_{x} \right\|_{2} \\ &<\infty \end{align*} $$
(d)
$f$が閉区間$[a,b]$を除き$0$で有界であり、$g$が区分的に連続である場合、
$$ \int _{-\infty} ^{\infty} f(y)g(x-y)dy=\int _{a}^{b}f(y)g(x-y)dy<\infty $$